睡眠時無呼吸症候群(SAS)
SASって何が問題なの?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に停止する状態が繰り返される疾患です。無呼吸が繰り返されると、体内の酸素濃度が低下し、深い睡眠が阻害され、翌日の日中に強い眠気を感じるほか、高血圧、心不全、脳卒中、糖尿病などの合併症を引き起こすリスクが高まります。SASは重大な健康リスクを伴うため、早期診断と治療が重要です。
SASを知りましょう!
SASは多くの人が抱える睡眠障害ですが、適切な治療により、日常生活の質を向上させ、合併症を予防することができます。いびきや日中の過度な眠気に気づいたら、早めに専門医に相談することが大切です。自分の症状を理解し、早期に対応することで、SASと上手に付き合っていくことが可能です。以前はSASが軽視されがちでしたが、現在ではSASが多くの生活習慣病や心血管疾患のリスク要因となることが明らかにされています。SASが長期間放置されると、体は酸素不足を補うために代償機転を働かせますが、これが限界に達すると、心血管系に深刻な負担がかかり、心不全や高血圧の発症リスクが高まります。特に、高齢者や肥満患者では、無呼吸の頻度や重症度が増すことで、これらのリスクが顕著になります。SASの治療は、健康全体の向上にもつながるため、積極的な介入が推奨されています。特に肥満との関連が強く、体重管理も治療の一環として重視されています。
SASの治療に大事なこと
SASの治療は、自分の症状の重症度を理解することから始まります。当院で採用予定のスマートウォッチ(Life Care plus)を用いた睡眠管理で異常を認めれば、ポリソムノグラフィー(睡眠時検査)によって無呼吸の頻度や酸素飽和度を測定し、治療方針を決定します。早期の介入と適切な治療が、長期的な健康リスクを軽減します。
治療について
SASの治療には、CPAP(持続陽圧呼吸療法)が最も効果的とされています。CPAPは、睡眠中に気道に空気を送り込み、気道が閉塞するのを防ぐことで無呼吸を解消します。また、生活習慣の改善も重要であり、特に体重減少や禁煙が推奨されます。重症度によっては、マウスピースの使用や外科的手術が選択されることもあります。
SASと付き合うために毎日体重をはかりましょう
SASの管理で『体重測定』がなぜ重要なのか。
体重が増加すると、首周りや腹部の脂肪が増え、気道が狭くなり、無呼吸のリスクが高まります。特に、短期間での体重増加は無呼吸の悪化を引き起こす可能性が高いため、体重管理が不可欠です。体重を減少させることで、気道が広がり、SASの症状が軽減されることが多くの研究で示されています。
受診の目安
以下の症状がある場合、早急に医療機関を受診することが推奨されます:
- 激しいいびき
- 日中の強い眠気や倦怠感
- 起床時の頭痛
- 夜間頻尿
これらの症状は、SASが進行している可能性を示唆しており、早期の診断と治療が必要です。
最後に
SASは、適切な治療と生活習慣の改善により、症状をコントロールし、合併症のリスクを大幅に減らすことができる疾患です。自分の症状を理解し、定期的な医師の診察を受けることで、健康的な生活を維持することが可能です。SASの管理を通じて、より良い睡眠と健康を手に入れましょう。