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糖尿病の治療

糖尿病って何が問題なの?

糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる疾患で、全身の血管や神経にダメージを与え、さまざまな合併症を引き起こします。これにより、心臓病、脳卒中、腎不全、神経障害、失明など、生命を脅かす重大な健康問題を引き起こすリスクが高まります。

糖尿病は、初期段階では無症状で進行することが多く、症状が現れた時には既に深刻な合併症が進行している可能性があります。したがって、早期発見と治療が極めて重要です。糖尿病の診断を受けた場合、自覚症状がないからと言って放置してはいけません。適切な治療と生活習慣の改善により、リスクを管理し、生活の質を維持することが可能です。定期的な血糖値の測定を習慣化し、医師の診察を受けることが大切です。

糖尿病が進行すると、インスリンの分泌が不足するか、またはインスリンの働きが低下し、血糖コントロールが難しくなります。これにより、高血糖状態が持続し、細小血管障害(網膜症、腎症、神経症)や大血管障害(心筋梗塞、脳卒中)などの合併症が発生するリスクが高まります。

糖尿病の治療について

糖尿病の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が中心です。バランスの取れた食事、適度な運動(例えばウォーキングや筋力トレーニング)は、血糖値を安定させるための基本的な方法です。薬物療法では、経口血糖降下薬が使用されますが、患者の状態に応じて、メトフォルミン、GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬などが処方されます。

インスリンが必要になる場合  

血糖低下作用のあるインスリンは膵臓から分泌されますが、重症化するとインスリンが枯渇し、自分でインスリンを作ることができなくなるため、外部からインスリンを補う自己注射を行うことになります。当院では、インスリン治療は原則として行っていませんが、必要とされる場合は近隣の専門施設と連携し、適切な治療を提供できるよう紹介いたします。いずれにしても、重症化する前に早めの対策を行い、インスリンが必要な状態になることを防ぐことが重要です。

 

糖尿病の治療に大事なこと! 

今のご自身の血糖値を知りましょう! 糖尿病の管理は、現在の血糖値の状態を正確に把握し、それに基づいて適切な治療を行うことが基本です。血糖値は、食事や運動、ストレス、環境によって変動するため、定期的な測定が重要です。まずは、ご自身の血糖値(ヘモグロビンA1c)を知り、私共と情報を共有し、適切な治療方針を立てていきましょう!

 

糖尿病と付き合うために毎日体重をはかりましょう!!

減量の重要性

糖尿病において、体重管理は極めて重要な要素です。肥満は、インスリン抵抗性を増加させ、血糖値のコントロールを困難にする主要な要因の一つです。過剰な体脂肪、特に内臓脂肪は、インスリンの効果を低下させるため、血糖値が上昇しやすくなります。そのため、体重を減らすことは、糖尿病管理の中核的な戦略の一つです。

減量には、バランスの取れた食事(食事療法)と運動療法が重要な役割を果たします。

食事療法:バランスの取れた食事を摂取し、過剰なカロリー摂取を抑えることが基本です。具体的には、以下の点が重要です。

  • カロリー制限:適切なカロリー摂取を維持することで、体重減少を促進します。
  • 血糖値の急激な上昇を防ぐために、低GI食品(血糖指数が低い食品)を選ぶことが推奨されます。
  • 栄養バランス:糖質、脂質、タンパク質のバランスを保ちつつ、ビタミンやミネラルなどの必要栄養素をしっかり摂ることが重要です。
  • 食物繊維の摂取:食物繊維を多く含む食事は、満腹感を持続させ、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果があります。

 

運動療法:運動は、インスリン感受性を改善し、血糖値を下げる効果があります。特に、定期的な運動を習慣化することで、体重管理がより効果的になります。推奨される運動量としては、週に180分以上の中等度の有酸素運動(例:ウォーキング、サイクリング)や、週に2~3回の筋力トレーニングが目安とされています。これらの運動は、筋肉量を維持し、基礎代謝を高める効果もあり、長期的な体重管理に貢献します。

適切な減量により、インスリン抵抗性が改善され、血糖値の安定が期待できます。また、体重減少は血圧の低下や脂質異常の改善にもつながり、糖尿病以外の心血管リスクも低減することが確認されています。

 

薬物療法による血糖コントロールと減量の重要性

 

当院では、糖尿病薬物治療薬として、メトフォルミン、GLP-1受容体作動薬やSGLT-2阻害薬等を積極的に用いています。GLP-1受容体作動薬は、血糖値のコントロールに加えて、体重減少を促す効果があることが知られています。GLP-1受容体作動薬は、食事後のインスリン分泌を促進し、胃の排出速度を遅らせることで、食欲を抑える働きをします。これにより、カロリー摂取を減少させ、体重減少が期待できます。GLP-1受容体作動薬は、単なる血糖管理だけでなく、心血管イベントの抑制や最近では腎イベント抑制にも効果があることが研究で示されています。これにより、糖尿病患者の合併症リスクを低減できる可能性があります。

 SGLT-2阻害薬も糖尿病治療において重要な役割を果たしています。SGLT-2阻害薬は、腎臓でのブドウ糖再吸収を抑制することで、尿中に余分な糖を排出し、血糖値を下げる作用があります。この薬は、血糖管理に優れているだけでなく、体重減少や血圧低下にも寄与するため、糖尿病治療における多面的な効果が期待できます。また、心不全や慢性腎臓病のリスクを軽減する効果も報告されており、幅広い患者層に適応できる薬剤です。

 

受診の目安

以下の症状がある場合、早急に受診することが推奨されます:

  • 強い喉の渇き
  • 多尿
  • 体重減少
  • 疲労感
  • 視力のかすみ

これらの症状は、糖尿病が悪化している可能性があり、早急な治療が必要です。

 

最後に

糖尿病は、適切に管理すれば深刻な合併症を予防し、健康的な生活を維持することが可能な病気です。自分自身の血糖値の状態を把握し、日常生活での対策を積極的に行うことで、合併症を防ぎ、長く健康でいられるように努めましょう。また、当院では、重症化した場合には適切な専門医療機関をご紹介し、必要な治療を受けられるようサポートいたします。ぜひご相談ください。

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